第66回滴禅会講伝会

令和6年11月28日・29日の2日間に渡り、第21教区洞雲寺様とホテルニュー水戸屋様を会場に滴禅会講伝会が開催されました。滴禅会とは故杉本俊龍老師が研究された法式作法・室内住職学について広く宗侶に知って頂こうと組織された会であり、この度宮城県での講伝会を当会と共催させていただけるというご縁に恵まれました。当日は全国から参集された滴禅会会員、宮曹青正会員の計62名という多くの方の参加により盛会となりました。

 1日目は会場となる洞雲寺様の本堂において、故杉本俊龍老師報恩諷経、並びに開講諷経を挙げさせていただきました。その後洞雲寺住職千田幹雄老師より、洞雲寺様の歴史変遷についてのお話を交えたご挨拶をいただき、いよいよ開講と相成りました。花井寺住職井上義臣老師による講伝では「施餓鬼・甘露門(意義と功徳・発生の仕組)」という演題で、冒頭、法要がもたらす功徳を檀信徒に信じていただく為には、そもそも僧侶が宗教文学的感性を養い、法要の意義功徳を感じ取らなければならないというお示しから始まりました。僧侶自身の感性の修養を前提とした上で、それを力強く後押ししていただいているかのように、講伝の内容は施餓鬼供養の成り立ちから今日に至るまでの儀式作法の変遷について、また曹洞宗門における面山甘露門法の構成や陀羅尼の意味に至るまで、微に入り細を穿ちご教示をいただきました。

 2日目は会場をホテルニュー水戸屋様に移し、高福寺住職武井全補老師の講伝では「禅問答と公案について」という演題で、従容録の第9則から第11則までを、武井老師の解説を交えながらお話をいただきました。今回取り上げられた3問の公案について武井老師の見解をお示しされながらも、最後の答えは聴講している我々自身に委ねるという形式のお話は、まさに師僧と対峙して禅問答を行っているかのような感覚を呼び起こさせるものでした。

 最後にこのような貴重な場を設けていただきました関係各位、ご参加いただきました会員の皆様に心より感謝申し上げ、ご報告とさせていただきます。皆様、誠にありがとうございました。