この度、宮城県曹洞宗青年会第28期会長を拝命いたしました仙台市泉区洞雲寺副住職千田祥幹と申します。
浅学非才の身でございますが、皆様方のご教導をたまわりながら務めて参りたいと存じますので何卒宜しくお願い申し上げます。
昨年当会では、石巻にて東北地区曹洞宗青年会地方集会「宮城大会」を開催し、その中で東日本大震災犠牲者13回忌法要を勤めました。大会テーマを我々の被災地・被災者への鎮魂の思いを伝えるべく『伝心』といたしました。それは同時に、これまでの諸先輩方の歩みや思いを我々の代が受け継ぎ、次の世代へと伝えていくことに他ならないと存じます。50年を超える宮城県曹洞宗青年会の歴史の一翼を担わせていただけますこと、一層身が引き締まる思いでございます。
新型コロナウイルス発生から3年余り、世界的な感染拡大がもたらした恐れと不安は私達の心に暗い影を落としてきました。人と人とのふれあいを奪うこのウイルスを前に、我々のありふれた日常は崩れ去り、宮城県曹洞宗青年会の活動の多くもまた中止・縮小を余儀なくされるという苦しい状況が続いてまいりました。
そのような困難な時代にあっても我々青年僧侶は歩みを止めず、力を合わせて互いの研鑽に努めるべきという考えに思い至りました。そこで今期は、
『 同行同修 ~共に学び 共に行ずる~ 』
をスローガンとし、活動を続けてまいりたく存じます。
コロナ禍においてニューノーマルという新たな生活様式が生まれました。しかしそれは感染対策として効果を上げる一方、私達の互いの心の距離をもひろげ、あたかも他者とのかかわりを断ち、関心を寄せないことを良しとするかのような気運を醸成してきました。
「同行同修」には「他を受け入れながら同じ修行をする」という意味があります。依然として完全に脅威は消え去っていない状況が続いておりますが、そのような中でも宮曹青行持を通じて皆様と共に精進していきたいという一心を込め、このスローガンを掲げさせていただきます。
さらに今、社会では宗教というものへ厳しい目が向けられ、それは教団のみならず個々の宗教者の資質を問うものでもあります。今こそ私達は「青年僧侶として何ができるか」という問いに答えを求められているのではないでしょうか。
世の中に目を移せば、震災で傷ついた方々や、貧困等様々な事情を抱えた方々が苦しみの最中にあります。その苦しみに耳を傾けること、そして寄り添い続けることが我々僧侶の第一義であり、そのような環境に自ら身を置く機会を設けていくのが青年会活動であります。
他者の心に寄り添える僧侶としての姿を目指せるような様々な研修会の実施、そして会員の情報交換・親睦を進め、会員各々の積極的な布教活動の実践につなげていきたいと存じます。
県内御寺院様はじめ正会員・賛助会員・特別会員の皆様には、これまでと同様にご理解を賜りご指導お力添えくださいますようお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。