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第26期新会長 神作紹道 挨拶

第26期スローガン  「一味同心」〜新たな時代に向かって〜

この度、宮城県曹洞宗青年会(以下、宮曹青) 第26期会長の大任を拝する事になりました仙台市 清凉寺 神作紹道です。

 お陰様にて、昨年(平成30年)に宮曹青は、創立50周年を迎えることが出来ました。昭和44年に、熱き想いと決意を胸に県内諸老師が結集され宮城県曹洞宗青年会が発足されました。会の目的を「会員相互の研修と親睦を図ると共に布教教科活動を推進すること」と定め、歴代の会員の方々が脈々とその志を受け継ぎながら活動してきた半世紀の歴史に感謝と敬意を覚えます。同時に、そのような宮曹青を代表する立場になりました事に責任の重さを改めて感じ、誠に身の引き締まる思いがいたします。

 さて、第26期のスローガンは「一味同心〜新たな時代に向かって〜」とさせていただきました。この「一味同心」という言葉は、道元禅師の法灯を受け継いだ瑩山禅師が「洞谷山尽未来際置文」に残された言葉です。「出家、諸門弟等、一味同心にして当山をもって一大事と為し、ひとえに五老峯を崇拝せよ」と教示され、時代が変遷しても志を同じくするものと手を取合い、難値難遇有りとも和合和睦をもって永光寺を護持して行きなさいとお示しになったのです。

 私はこの言葉に倣い、会員の方々と一味同心にして宮曹青を想い、歴代祖師、歴代先輩諸老師の教えを受け継ぎながら、当会の目的を遂げるため、共に歩みを進め、宮曹青をさらなる発展、そして次代につなげたい所存です。そのためには何が必要か。それは、仏道にさらに精進し、御仏の教えをお伝えすること、全ての方々が心穏やかに生きていけるよう願い、活動することです。

創立より半世紀を経た宮曹青は、今では平成生まれの方が多く活躍されるようになって参りました。東日本大震災以降、被災した地域は五里霧中の生活の中でも町の様子は刻々と変化を遂げています。首都圏では2020年の東京オリンピックに向けて町が様変わりしています。そして、平成から令和へ移り変わる2019年、第26期は多くの変化の中を、宮曹青の新たな50年に向けて歩み始めることになります。

時には、困難に遭遇するかもしれませんが、新たな時代に向かって、守るべきものを守り、しかしながら変化を恐れず、第26期は、一味同心に邁進して参りたい所存でございます。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

宮城県曹洞宗青年会 第24期新会長 北村暁秀 挨拶

第24期スローガン「自己を磨き、他に尽くさん」

平成27年4月の定例総会より第24期会長を拝命いたしました、石巻市(13教区)法山寺副住職の北村暁秀と申します。
さて、国難とも言われた東日本大震災、未だ復興半ばであり、多くの方々がその混乱の中に身をおいていらっしゃいますが、それは宮曹青にとっても同様でありました。
当時を振り返りますと、程度の多少はあってもおよそ総ての会員が被災してしまうという、未だかつて誰も経験したことのない状況の中で、支援物資の配給や被災寺院の片付け作業に奔走された当時の会員諸師の姿は今でも忘れることができません。
幾度にも及ぶ物資配給や炊出しに寺院片付け作業、さらには一年に及ぶ月命日供養に慰霊行脚など、紙面では語りつくせないほどでありました。
また、この2年間は天野大真会長の元、復興支援活動を受け継ぎ仮設団地での傾聴活動を主軸にされるなど、時宜に適した形で幅広く展開されつつ、従来の研修会やチャリティバザー、会員大会にソフトボール大会などの行持を復活され、宗侶のみならず特別会員の皆さんとの関係再構築にもご尽力されたのでありました。通常であっても当会の活動は年間を通じ多岐にわたりますから、二本の柱に同じように重きを置いて活動されたご苦労は計り知れないものがあります。
この4年半、何れの期も震災の混乱の中、活動するにあたって様々な葛藤や迷いがあったことは想像に難くありませんが、それでも前述のように活動を継続展開できたのは、そのすべてが菩薩行だったからだと思うのです。悩み苦しみ悲しんでいる方を放ってはおけない、活動に参加された誰もが「ひとの安らぎを自らの安らぎとする」まさに慈悲の実践としてそれぞれが菩薩の行として取り組まれたことが各々の芯となっていたからこそ可能であったと思うのです。

そこで、今期、第24期も同じく菩薩行を継続して参りたくスローガンを「自己を磨き、他に尽くさん」といたしました。これは「欣求菩提 教化衆生(上求菩提 下化衆生)」であり、「修行と教化」すなわち仏教の命題とする「智慧の獲得と慈悲の実践」であります。
しかしながら、「修行と教化」は切り離された別々のものではなく、この4年半の活動がまさにそうであったように、教化に勤しむ中で自らも学び、磨かれていく自己もあり、共に深まっていくものだとも実感いたしました。
つまりスローガン「自己を磨き、他に尽くさん」をより端的に表現するならば「教化」であります。ただし、「教化」といっても何か特別難しいことをいたそうというのではなく、どんな活動や研修も教化に適っているかどうかをしっかりと見つめながら行持していくこと、教化を意識してすべてを行っていくことであります。
そうして宮曹青の活動や研修に参加された会員の方々が最終的にはご自坊檀信徒の皆様や地元の地域社会などの教化活動にフィードバックして頂けるものにして参りたく存じます。
その実現のために今期は従来の4つの委員会に加えて特設として教化委員会を新たに設置し、5つの委員会で活動して参ります。研修委員会は主に法要を通じ、広報編集委員会は紙面やHPを通じ、ボランティア委員会は傾聴活動やボランティア活動を通じ、交流事業委員会は交流行事や慰霊行脚を通じて、それぞれが強く教化を意識しながらの活動といたします。さらに今期特設としての教化委員会は、布教教化の可能性や方向性あるいは問題点などを探る研修を通じて会員相互に学び合い、それぞれのご自坊や師寮寺における布教教化活動に活かして頂けるものを目指します。

東北地方集会「宮城大会」について
来年秋に予定されている「宮城大会」でも教化をテーマとして開催いたします。委員会それぞれの活動や研修を通じて深めたものの集大成となるような大会を目指して参ります。
詳細は準備委員会を発足して現在協議中ですが、「東日本大震災七回忌予修法要」や「復興祈念行持」ならびに「記念講演」を開催し檀信徒の方々や一般の方々大勢にご参加頂き、共に宗教的感動を分かち合えるような内容を鋭意検討して参ります。

結びに
「将来恩返ししていくのだよ」16年前の自身庶務時代、ある先輩が仰っていた言葉です。当時はあまりピンと来ませんでしたが、様々なお役を拝命してきた中でたくさんの方との出逢いや数え切れない大切な教えを頂戴して参りました。私などでは遠く及びませんが「相承」のおさとしの如く、受け継ぎ頂戴したものを僅かでも次世代の会員皆様のお役に立つことを願いながら「恩送り」としてお伝えさせて頂くことができれば幸甚であります。それが先輩方の願いであり先輩方への恩返しでもあると思うからです。
皆様には当会への益々のご理解とご協力ご法愛を賜りますよう何卒お願い申し上げます。
合掌