東日本大震災慰霊行脚

 東日本大震災から丸14年の時が過ぎました。本年も当会では、海蔵庵本院様より龍谷院様・釜谷霊園・観音寺様、そして旧大川小学校震災遺構までの道のりを命の尊さを感じながら行脚いたしました。

 旧大川小学校震災遺構では、午後2時46分のサイレンで参列者の皆様と手を合わせ、黙祷を捧げ、その後の慰霊法要では、地元御寺院様はじめ多くの僧侶の皆様と共に供養させていただきました。遺族会会長のご挨拶の中で「復旧・復興は進んでいますが、心の復興はまだまだ進んでいません」という言葉を聞き、あの日起きたことを自身の胸に刻み、今を生きる私たちが共に手を取り合いながら生きていかなくてはいけないと改めて感じました。

 結びになりましたが、慰霊行脚開催にあたり多大なるご協力を賜りました、第12教区海蔵庵御住職佐竹泰生老師はじめ関係者の皆様に心より感謝を申し上げ、ご報告といたします。

第28期移動研修会

 コロナ禍もあり6年ぶりの開催となりましたが、令和7年3月5日より7日まで二26名の会員と共に移動研修を行いました。行き先は鹿児島・熊本方面とし、本年、戦後80年を迎えるにあたり戦争について改めて学び、そして考えることを目的として鹿児島の知覧特攻平和会館での研修、慰霊法要を中心に企画・開催しました。

初日、まさかの事態から移動研修は幕を開けました。出発前夜からの降雪、低温の影響により飛行機の離陸が大幅に遅れ大阪伊丹空港から鹿児島への乗り継ぎが出来ず、次の便まで五時間以上待つことになりました。時間的に当日予定していた特攻平和会館へは向かえずその日は直接宿へ向かうことになりました。2日目は予定を変更し午前中に知覧特攻平和会館へ。午後から永平寺鹿児島出張所である紹隆寺様へ拝登しました。

 主たる目的である特攻平和会館では特攻隊に関する資料や隊員の遺書、関係者の手記などを各々見学し、語り部の方から当時の写真などをもとにお話いただきました。特攻隊の平均年齢は二21歳。その多くは少年兵であり最年少は17歳の少年だったそうです。絶筆となる遺書に多く書かれていたのは両親、特に母親に対する思いをつづったもので、先立つ不孝を詫びつつ家族の健康を案じ、立派な戦果を約束する内容でした。また、印象的だったのは遺書だけではなく、学徒動員により特攻隊員の身の回りのお世話に勤めていた女学生の手記の中の一文です。「不安な私たちを励ましてくれた兄さまたち。飛び立つ日、顔で笑って心で泣いて送りました」とありました。限られた時間の中でほんの一部の資料やお話しか見聞き出来ませんでしたが、当時終戦間際の極限の状況の中、一人一人に様々なエピソードがあり、その一端に想いを寄せ想像しただけで胸が締め付けられ涙を禁じ得ませんでした。最後には敷地内の観音堂に於いて戦死者の慰霊法要を行うともに恒久平和を祈念致しました。その後、紹隆寺様へ上山し拝登諷経を行い、監寺老師よりお話と山内の説明をしていただきました。

 最終日は無数の羅漢像や宮本武蔵所縁のお寺として有名な雲巌寺様、平成28年に起きた熊本地震から復興しつつある熊本城、そして太宰府天満宮を巡り仙台への帰路につきました。初日こそトラブルに見舞われ大幅なスケジュール変更が余儀なくされましたが、参加者皆様のご理解ご協力のおかげで当初予定していた行き先を全て訪れることができ、事故や体調を崩される方も無く無事に移動研修を終えることが出来ました。

 目的の一つである会員相互の懇親も共にトラブルを乗り越えることでより深まり、現地で多くのことを学び感じることが出来た意義のある移動研修となりました。

 最後に、移動研修を開催するにあたって、ご協力いただいた関係各位に心より感謝申し上げます。

令和6年度会員大会

 令和7年2月10日(月)、宮城県曹洞宗青年会令和6年度会員大会を開催致しました。
青森県普賢院院代菊池雄大師を講師に「曹洞宗寺院と宿坊の相性の良さ」という内容の講義をいただき、実体験を交えながら大変貴重なお話を聞くことができました。

 当会には特別会員と言いまして、葬儀社様、石材店様、仏具店様、他にも様々な業種の企業様が、活動に賛同くださり、会にお入りいただいております。
ソフトボール大会と会員大会の年2回、青年僧侶の正会員と、特別会員様が交流する機会を設けています。

 第2部ボーリング大会、第3部懇親会も多くの皆様に参加いただき楽しい時間を過ごすことができました。参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

令和6年度第28期年次総会

令和6年12月23日(月)午後4時半より、仙台中央斎場清月記に於いて「令和6年度第28期年次総会」が開催されました。年次総会は、来期第29期宮城県曹洞宗青年会会長および副会長・監事の人事案を審議するために行います。事務局より定足数が確認され、正会員175名の内、計112名(正会員51名参加(リモート含む)、委任状61通)、総会の成立が報告されました。

議長には第3教区 玉川寺 村上孝宗師が選出されました。議長進行のもと、先般理事会において承認された「第29期三役人事案」について千田会長より第29期会長を第4教区 高林寺 牧野隆信師とする案が上程され、審議の結果、承認されました。

その後、牧野師より副会長3名と監事3名の人事案が上程され、同じく審議の結果、承認されました。

第66回滴禅会講伝会

令和6年11月28日・29日の2日間に渡り、第21教区洞雲寺様とホテルニュー水戸屋様を会場に滴禅会講伝会が開催されました。滴禅会とは故杉本俊龍老師が研究された法式作法・室内住職学について広く宗侶に知って頂こうと組織された会であり、この度宮城県での講伝会を当会と共催させていただけるというご縁に恵まれました。当日は全国から参集された滴禅会会員、宮曹青正会員の計62名という多くの方の参加により盛会となりました。

 1日目は会場となる洞雲寺様の本堂において、故杉本俊龍老師報恩諷経、並びに開講諷経を挙げさせていただきました。その後洞雲寺住職千田幹雄老師より、洞雲寺様の歴史変遷についてのお話を交えたご挨拶をいただき、いよいよ開講と相成りました。花井寺住職井上義臣老師による講伝では「施餓鬼・甘露門(意義と功徳・発生の仕組)」という演題で、冒頭、法要がもたらす功徳を檀信徒に信じていただく為には、そもそも僧侶が宗教文学的感性を養い、法要の意義功徳を感じ取らなければならないというお示しから始まりました。僧侶自身の感性の修養を前提とした上で、それを力強く後押ししていただいているかのように、講伝の内容は施餓鬼供養の成り立ちから今日に至るまでの儀式作法の変遷について、また曹洞宗門における面山甘露門法の構成や陀羅尼の意味に至るまで、微に入り細を穿ちご教示をいただきました。

 2日目は会場をホテルニュー水戸屋様に移し、高福寺住職武井全補老師の講伝では「禅問答と公案について」という演題で、従容録の第9則から第11則までを、武井老師の解説を交えながらお話をいただきました。今回取り上げられた3問の公案について武井老師の見解をお示しされながらも、最後の答えは聴講している我々自身に委ねるという形式のお話は、まさに師僧と対峙して禅問答を行っているかのような感覚を呼び起こさせるものでした。

 最後にこのような貴重な場を設けていただきました関係各位、ご参加いただきました会員の皆様に心より感謝申し上げ、ご報告とさせていただきます。皆様、誠にありがとうございました。

第49回曹洞宗青年会東北大会「山形大会」


11月19日(火)第49回曹洞宗青年会東北大会「山形大会」がホテルメトロポリタン山形で開催され、当会から26名が参加しました。

 

「衆縁和合〜人とのつながり〜」というテーマのもと、大会副会長である当会会長の開式の辞より記念式典が始まりました。

 

多くの老師より祝辞を賜り、次期開催県へ絡子の伝達を行い、記念式典が閉式されました。来年度は第50回という節目の大会となりますが、福島県で開催予定です。


その後、山形テルサへ移動し三味線プレーヤーの上妻宏光さんとピアニストの伊賀拓郎さんのコンサートが行われました。三味線とピアノのコラボは素晴らしいものでした。
また、山形テルサ内でサンタピアップ宮城ボランティア会のブースを出店し、沢山の方にカンボジア教育支援のご協力を頂きました。

開催にあたり、ご尽力頂いた多くの方に感謝申し上げます。