第25期新会長 長谷川俊昭 挨拶

宮城県曹洞宗青年会第二十五期会長就任に際しご挨拶を申し上げます。

 この度、四月の定例総会において宮城県曹洞宗青年会第二十五期会長を拝命いたしました、第十一教区石巻市耕徳寺住職長谷川俊昭と申します。もとより非才不徳の身でありますが、誠心誠意、覚悟をもって大任を果たしてまいる所存であります。何卒宜しくお願い申し上げます。 

 今期、宮城県曹洞宗青年会は創立五十周年の節目を迎えます。諸先輩老宗師が真に仏道に歩まれ、研鑚を重ねられた歴史を受け継ぎ、当会の目的「会員相互の研修と親睦」「布教教化活動の推進」の実現に向けて、また会員の皆様、地域社会に寄り添った活動を目指して、第二十五期役員一同務めてまいります。

 さてその五十年の歩みを振り返っても、先の東日本大震災後は、青年会においても激動の六年間でありました。未曽有の大震災、甚大な被害に茫然自失、誰もが自らの無力さを痛感させられました。

 そのような状況でも拠り所となり、青年宗侶として「今、成すべきこと」を示してくれたのも、復興支援を通し強い連帯感、「絆」を築かせてくれたのも青年会活動でした。

 諸先輩老宗師から受け継いだ「青年会は先ず行動」その志を胸に、被災御寺院様の片付けや物資配給炊き出しに一意専心、復興支援に取り組まれた第二十二期奥野会長。その後、仮設住宅での傾聴を中心とした支援活動と共に震災前の通常行持、研修会、ソフトボール大会、チャリティバザー等を状況を鑑みながら再興、粉骨砕身務められた第二十三期天野会長。

 さらには、仏教者としての原点、すべての方々の苦しみ悲しみに寄り添い「ひとの安らぎを自らの安らぎとする」慈悲の実践、菩薩行の継続を旨としたスローガン「自己を磨き他に尽さん」のもと、通常行持の本格的展開と共に第四十一回東北地区曹洞宗青年会地方集会「宮城大会」主催した第二十四期。

 特に「宮城大会」は第一部東日本大震災七回忌法要、第二部復興祈念行持、第三部追悼復興コンサートの三部構成とし、その規模もさることながら、参加者の皆さんはもとより我々、随喜者にも深い感動を呼ぶ、そして多くの方々の「心の復興」(教化)の一助となる意義のある大会となりました。第二十四期は多忙を極める中で前期北村会長の揺るぎない信念と役員会員が懸命に一丸となり活動を展開された期でありました。また布教教化の重要性をあらためて考える機縁となり、これからの活動の道標を指し示していただいたと考えております。

 創立から四十八年の歴史は、諸先輩老宗師が仏道を護り、伝えられた歩みであり、それこそが御仏の教えを実践し続け仏恩に報いる姿、青年宗侶のあるべき姿であります。我々もそのお姿に学び、仏道に日々精進してまいります。

 第二十五期スローガンを『護り伝えん御仏の道』とさせていただきました。

 今期各委員会がそれぞれ多角的観点から、「今」求められる研修、事業を企画、会員相互の資質向上の場とし、さらには各自の積極的な布教教化の実践に繋げる当会の目的「会員相互の研修と親睦」と「布教教化活動の推進」を目標に取り組んでまいります。

 東日本大震災後、社会では宗教者がより注目されています。それは我々が期待をされているということに他なりません。未だお察し切れない悲しみの中にお暮らしの方々、また全国各地で発生する自然災害や社会問題、日々激しく変化を続ける世の中に、不安や苦しみを抱えられている方々に、青年宗侶として寄り添い耳を澄まし傾けること、ともに歩み続けることが我々の使命であると考えます。

 そのような青年宗侶を目指していく為にも御仏から脈々と絶えることなく伝えられた、教えを受け継ぎ、そして未来へお伝えしていく(相承)、自覚と意識を高めていける青年会活動となるよう共々に研鑚に努めてまいりたく存じます。

 宮城県曹洞宗青年会創立五十周年を記念し、来年平成30年秋に「記念式典」「基調講演会」を開催すべく準備委員会を発足、検討を重ねております。併せて「五十周年記念誌」の発行に向け広報編集委員会を中心に編集を進めております。五十年の歩みを振り返り学び、これからの青年会、青年宗侶としてあるべき将来像を考える内容を目指し取り組んでまいります。

 結びに、私事ではありますが顧みますと安居を終え間もなく、右も左も分らないまま住職となった私に、青年宗侶としてだけではなく人として、多くを学び、沢山のかけがえのない出会いを頂戴したのが青年会でした。「仏道に生きる」我々のあり方を示され、厳しくも温かく助言いただける先輩方を勝手ながら兄のようにお慕いし、ともに切磋琢磨し支え合う仲間を兄弟のように思いながら十八年間、活動に参加してまいりました。いつかは、このご恩返しをと心に決めておりましたがしかしながらその責務は重大であります、尚一層の御指導、お力添えを賜りながら務めてまいりたく存じます。どうぞ二年間宜しくお願い申し上げます。 末筆となりますが、御寺院様、会員の皆様、並びに関係各位におかれましては、当会への益々のご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げます。合掌