第23期スローガン ≪他は是れ吾にあらず≫
この度宮城県曹洞宗青年会第23期会長を勤めさせていただきます、第八教区皆傳寺副住職 天野大真です。
これまで、青年会という組織は自己の研鑽と相互の懇親を深めることが大きな2本の柱でした。私自身も平成9年にはじめて事務局員として参加させていただいて以来、沢山のことを学ばさせていただき、また数多くの勝友と巡り会う機会を頂戴しました。
そして、二年前の震災以来、奥野前会長率いる青年会はまさに市井に飛び出し、活動する僧侶の団体として、月命日供養から被災地行脚まで、被災された方の苦しみや悲しみに対し、まさに少水のよく石を穿つがごとしのスローガン通りの粘り強く、しっかりと腰の据わった活動を続けられてきました。
会員の皆様もよくご存じの事とは思いますが、まだまだ震災の苦しみや悲しみ、喪失感は2年前のままではないかと思います。先日、ある仮設住宅にうかがったところ、そこに住んでおられる70歳くらいのご婦人が、《よくテレビで、震災の恐ろしさを忘れないと言っているけれど、私たちにとっては今でも考えると震えがくるほど忘れたくても忘れられないんだよ》と言っていました。 まだ震災復興支援活動は終わりません。さらに言えばこれからの活動こそ、復興への足がかりとなる重要な機会となりうるのではないかと思います。
今期の青年会は《他は是れ吾にあらず》のスローガンのもと、自ら活動するなかで学ぶ、活動しながら学んでゆくことを柱として、事業を展開させていただきます。もちろん、青年会は自己の研鑽と懇親の大変重要な場であります。そしてそれ以上に他の誰でもない僧侶にしか出来ない活動が出来る組織としての青年会を考えていきたいと思います。会員の皆様のさらなるご理解とご協力をお願い申しあげ、誠に措辞ですが、挨拶とさせていただきます。