第28期移動研修会

 コロナ禍もあり6年ぶりの開催となりましたが、令和7年3月5日より7日まで二26名の会員と共に移動研修を行いました。行き先は鹿児島・熊本方面とし、本年、戦後80年を迎えるにあたり戦争について改めて学び、そして考えることを目的として鹿児島の知覧特攻平和会館での研修、慰霊法要を中心に企画・開催しました。

初日、まさかの事態から移動研修は幕を開けました。出発前夜からの降雪、低温の影響により飛行機の離陸が大幅に遅れ大阪伊丹空港から鹿児島への乗り継ぎが出来ず、次の便まで五時間以上待つことになりました。時間的に当日予定していた特攻平和会館へは向かえずその日は直接宿へ向かうことになりました。2日目は予定を変更し午前中に知覧特攻平和会館へ。午後から永平寺鹿児島出張所である紹隆寺様へ拝登しました。

 主たる目的である特攻平和会館では特攻隊に関する資料や隊員の遺書、関係者の手記などを各々見学し、語り部の方から当時の写真などをもとにお話いただきました。特攻隊の平均年齢は二21歳。その多くは少年兵であり最年少は17歳の少年だったそうです。絶筆となる遺書に多く書かれていたのは両親、特に母親に対する思いをつづったもので、先立つ不孝を詫びつつ家族の健康を案じ、立派な戦果を約束する内容でした。また、印象的だったのは遺書だけではなく、学徒動員により特攻隊員の身の回りのお世話に勤めていた女学生の手記の中の一文です。「不安な私たちを励ましてくれた兄さまたち。飛び立つ日、顔で笑って心で泣いて送りました」とありました。限られた時間の中でほんの一部の資料やお話しか見聞き出来ませんでしたが、当時終戦間際の極限の状況の中、一人一人に様々なエピソードがあり、その一端に想いを寄せ想像しただけで胸が締め付けられ涙を禁じ得ませんでした。最後には敷地内の観音堂に於いて戦死者の慰霊法要を行うともに恒久平和を祈念致しました。その後、紹隆寺様へ上山し拝登諷経を行い、監寺老師よりお話と山内の説明をしていただきました。

 最終日は無数の羅漢像や宮本武蔵所縁のお寺として有名な雲巌寺様、平成28年に起きた熊本地震から復興しつつある熊本城、そして太宰府天満宮を巡り仙台への帰路につきました。初日こそトラブルに見舞われ大幅なスケジュール変更が余儀なくされましたが、参加者皆様のご理解ご協力のおかげで当初予定していた行き先を全て訪れることができ、事故や体調を崩される方も無く無事に移動研修を終えることが出来ました。

 目的の一つである会員相互の懇親も共にトラブルを乗り越えることでより深まり、現地で多くのことを学び感じることが出来た意義のある移動研修となりました。

 最後に、移動研修を開催するにあたって、ご協力いただいた関係各位に心より感謝申し上げます。