東日本大震災慰霊行脚 ~石巻市(大川地区)~

未曾有の東日本大震災から丸10年の節目を迎える令和3年3月11日、昨今の新型コロナウイルス感染拡大防止を考慮し、当会として残念至極ではありますが、昨年同様に規模縮小の若干名にて海蔵庵本院様~龍谷院様~釜谷霊園~観音寺様~旧大川小までの慰霊行脚を行いました。

海蔵庵様の別院にて諷経ののち、長面湾に面する本院様から行脚を開始しました。

行脚修行道中、周りを見渡せば、復興事業の進行よって変貌した光景から経過した10年の歳月の重さを感じます。しかしながら、復興が進む光景の中でも変わらぬ山並みとの対比や、今もなお残る災害の爪痕に、改めて震災の惨さに思いを致さざるを得ませんでした。

 

震災遺構としての整備が進められている旧大川小学校では、遺族会の方々による慰霊法要も中止せざるを得ない本年、それでも多くの方々が集まっておられました。午後2時46分のサイレンが吹鳴されると皆様立ち止まり、黙祷、手を合わせる姿を見るとあの日、あの時、あの場面、あの場所で起きた東日本大震災の悲しさ、辛さがどんなに歳月を重ねど、どんなに風景が変われど、それぞれの想い、祈る気持ちは変わらないことを教えてくださいます。我々が被災地の方々と共に思いを巡らし、成すべきことをあらためて明確にできた一日となりました。

そして一日も早く新型コロナウイルス感染が終息することを願い、また例年通り大勢での行脚修行できることを願ってやみません。

結びに第12教区海蔵庵住職佐竹泰生老師、同教区理事坂本顕一師の多大なるご協力を賜りましたことを心から感謝申し上げ、ご報告いたします。