令和2年度会員大会 オンライン講演会

令和3年2月24日午後2時より、「zoom ミーティング」(Zoomビデオコミュニケーションズ社)を活用し、令和2年度会員大会オンライン講演会を行いました。

講師には東北福祉大学学長 千葉県宝林寺御住職 千葉公慈老師をお迎えし、演題『二人で行くなかれ ――― コロナ時代と仏教 ――― 』の下、90分のご講義と質疑応答を頂きました。

講義では、いわゆる「お釈迦さま」こと釈尊が戦争や災害、疫病、貧困のはびこっていた当時のインド社会の中で、様々な価値観の対立を乗り越えて教えを説かれたことを、私たちは実感を持って捉えるべきとご指摘されました。

令和の日本に生きる私たちは、とりわけ近代では資本主義社会にあって高度経済成長を経験した昭和や平成の時代を過ごしました。釈尊在世の当時に比べて、生活は格段に便利で快適さを増しましたが、必ずしも人間としての幸せへつながっていないかもしれません。

新型コロナウイルスの流行によって、対立や分断といった社会の溝はますます広がっているようにも感じられます。あらためて現代社会でも人間として生きていく上での「苦」というのは、いまだ変わらずにあることに気付かされるとともに、もしかすると豊かな暮らしを築いてきた知識や体験がかえって人間の本質を見えにくくさえしているかのようです。

そのような現代だからこそ、釈尊が混迷の真っ只中にあってひろめられた教えが生かされるべきなのでしょう。近年取り組みがひろがっている「SDGs」にも賛同している曹洞宗にあって、その実践を促すご講義の内容でありました。

また講師老師がご指摘下さいました、釈尊または道元禅師がなされたような、既成の概念に頼った“ことば”によらず、人々の「肌感覚で」「腑に落ちる」ような“ことば”や行いが重要というのは大変貴重な指針であると感じました。

講師老師には質疑応答にも快く応じて頂き、私たち青年宗侶へのご助言や、子どもを持つひとり親の孤立を防ぐ活動といった実践の例を挙げて下さいました。誠にありがとうございました。

最後に、ご参加して下さいました正会員・特別会員の皆様も感謝申し上げます。

皆さまありがとうございました。